free dial0120-370-772

[受付] 9:00~17:30(平日)全国対応

中堅・中小企業の「経営人材」育成コラム

COLUMN

経営人材

幹部が本音で議論できない会社は変われない

2026年09月11日

幹部が本音で議論できない会社は変われない

会議で本音が出ない理由

多くの会社の会議では、活発な議論のように見えて、実は誰も本音を語っていません。

理由の一つは、反対意見を述べることが「和を乱す行為」とみなされる空気です。
異論を口にすれば、その場が気まずくなり、後々の人間関係にも響く。
そう感じれば、幹部は当たり障りのない発言に終始します。

もう一つは、結論があらかじめ決まっているケースです。
上位者の意向が透けて見える場では、議論は結論を追認するための儀式になり、誰も真剣に頭を使わなくなります。
本音が出ないのは幹部の資質の問題ではなく、出せない構造がそこにあるのです。

社長への遠慮が組織を止める

 とりわけ根深いのが、社長への遠慮です。
オーナー企業であればなおさら、社長の一言が絶対的な重みを持ちます。

社長が方向性を示した瞬間、幹部は反論を飲み込み、内心の疑問を封じてしまう。
これが続くと、社長にとって都合のよい情報だけが上がり、悪い兆候は誰も口にしなくなります。
結果として、経営判断を誤るリスクが静かに高まっていきます。

遠慮は美徳のようでいて、実は組織の目と耳をふさぐ行為です。
社長自身が「反対意見こそ価値がある」と態度で示さない限り、この構造は変わりません。

健全な対立を生むテーマ設定

本音を引き出すには、対立が起きて当然のテーマを意図的に設定することが有効です。
「来期の方針をどうするか」といった漠然とした問いでは、無難な意見しか出ません。

そうではなく、「この事業から撤退すべきか否か」「限られた投資をA案とB案のどちらに振り分けるか」といった、立場によって答えが割れる論点を用意します。
人は二者択一を迫られて初めて、本気で考え、自分の言葉で語り始めます。

対立は避けるべきものではなく、より良い結論にたどり着くための健全なプロセスなのです。

議論の質を高めるファシリテーション

良いテーマを設定しても、進め方を誤れば議論は深まりません。カギを握るのがファシリテーションです。
まず、発言の量が特定の人に偏らないよう、あえて若手や寡黙な幹部に問いを向けます。

次に、意見と人格を切り離し、「その案のどこにリスクがあるか」を全員で検証する場をつくります。
反対意見を述べた人を責めるのではなく、論点を深めた貢献として扱う。

こうした運営を重ねることで、参加者は安心して本音を出せるようになり、議論の質は着実に高まっていきます。

経営課題を議論できる幹部チームへ

本音の議論ができる幹部チームは、一朝一夕には育ちません。
小さな成功体験の積み重ねが必要です。

異論から生まれた判断が良い結果につながった、その経験を組織で共有することで、「議論には意味がある」という実感が根づいていきます。
経営課題を自分ごととして語り合える幹部が増えたとき、会社は社長一人の判断力に依存する体制から脱します。

変化の激しい時代に会社を存続させる力とは、突き詰めれば、本音でぶつかり合いながら最善解を探し続けられる組織の対話力なのです。

この記事の監修・筆者

志水浩
志水浩株式会社新経営サービス 専務取締役

組織開発・教育研修コンサルタントして30年以上のキャリアを有し、上場企業から中小企業まで幅広い企業の支援を実施中。また、研修・コンサルティングのリピート率は85%以上を誇り、顧客企業・受講生からの信頼は厚い。
管理者に対する、成果性の高い人材開発プログラム「パフォーマンス向上プログラム」の開発責任者。

管理職研修 主要ラインナップ